摂食障害
食事は、私たちの心と体の健康を維持するために不可欠なものです。しかし、食事の仕方や体重、体型に対する考え方が極端になり、心身に様々な不調をきたしてしまう状態を「摂食障害」といいます。富山市上飯野にあるたての心療クリニックでは、食事や体重、体型への過度なこだわりでお悩みの皆様に寄り添い、丁寧な診療を行っています。このページでは、摂食障害について分かりやすく解説します。
摂食障害とは?
摂食障害は、食事の量や方法、体重や体型に対する過度なこだわりを特徴とする精神疾患です。大きく分けて、神経性無食欲症(拒食症)と神経性過食症に分類されます。
- 神経性無食欲症(拒食症): 極端な食事制限を行い、体重減少を伴います。体重増加への強い恐怖があり、体型や体重に対する歪んだ認識を持っています。
- 神経性過食症: 大量に食べる(過食)行為を繰り返し、その後、嘔吐や下剤の使用などの代償行為を行います。体重や体型に対する過度なこだわりがあります。
摂食障害は、特に若い女性に多く見られる傾向がありますが、男性や他の年齢層でも発症する可能性があります。富山県でも、体型や体重を気にするあまり、食事に問題を抱えている方は少なくありません。
症状
摂食障害の症状は、それぞれの病型によって異なりますが、主な症状として以下のものがあります。
神経性無食欲症(拒食症)
- 極端な体重減少
- 体重増加への強い恐怖
- 体型や体重に対する歪んだ認識
- 無月経(女性の場合)
- 低血圧、徐脈、低体温
- 便秘
- 脱毛
神経性過食症
- 過食行為
- 嘔吐、下剤の使用などの代償行為
- 体重の変動
- 電解質異常(嘔吐によるカリウム不足など)
- 虫歯、歯のエナメル質の損傷(嘔吐による胃酸の影響)
- 咽頭痛、食道炎
原因
摂食障害の原因は、はっきりとわかっていませんが、様々な要因が複雑に絡み合って発症すると考えられています。
生物学的要因
- 遺伝的要因:家族に摂食障害や他の精神疾患の人がいる場合、発症リスクが高くなる可能性があると考えられています。
- 脳内の神経伝達物質の異常:セロトニンなどの神経伝達物質のバランスの乱れが関与していると考えられています。
心理社会的要因
- 社会的プレッシャー:痩せていることが美しいという社会的なプレッシャー、メディアの影響など。特に若い女性は、体型や容姿に対するプレッシャーを受けやすいと言われています。
- 家族関係:家族関係の問題、親子関係の葛藤など。
- 過去のトラウマ:過去の虐待やトラウマ体験などが影響する可能性もあります。
治療法
摂食障害は適切な治療を受けることで改善が見込める病気です。たての心療クリニックでは、患者様一人ひとりの症状や状況に合わせて、最適な治療法をご提案します。
- 薬物療法: うつ症状や不安症状が強い場合は、抗うつ薬や抗不安薬などが用いられることがあります。また身体症状に応じ便秘薬など必要なお薬を用います。当クリニックでは、副作用にも配慮しながら、必要最小限の処方を心がけています。
- 精神療法: 認知行動療法(CBT)、家族療法、対人関係療法などが有効です。認知行動療法では、食事や体重、体型に対する考え方の歪みを修正し、適切な食行動を身につけていくことを目指します。家族療法では、家族関係の問題に取り組み、家庭環境の改善を目指します。当クリニックでは、経験豊富な公認心理師がご希望に応じ対応いたします。
- 栄養指導: バランスの取れた食事を摂るための指導を行います。飢餓状態から急激な栄養補給を行うと再栄養症候群(Refeeding症候群)を引き起こすこともあるため、注意が必要です。
- 入院治療: 重度の栄養失調や合併症がある場合は、入院治療が必要となることがあります。
- 血液検査について: 摂食障害では、嘔吐や下剤の乱用によって電解質バランスが崩れ、重篤な身体合併症を引き起こす可能性があります。そのため、電解質(ナトリウム、カリウム、クロールなど)や腎機能、肝機能などを確認するために血液検査を行うことがあります。また、栄養状態を評価するために、アルブミン、総蛋白、鉄などの項目を測定することもあります。
まとめ – 富山市上飯野のたての心療クリニックへご相談ください
食事や体重、体型への過度なこだわりでお悩みの方は、一人で悩まずに、お気軽にご相談ください。早期の診断と適切な治療が、心身の健康を取り戻すために重要です。富山市上飯野のたての心療クリニックでは、地域の皆様の心の健康をサポートするために、経験豊富な医師と公認心理師が親身になって診療を行っています。